2010年11月30日

モールス信号の持つ本当の意味

HW8.jpg  所有:TOMIOKA Takumi
ヒースキット「HW-8」CWトランシーバー
大きさ:横幅230mm高さ105mm

アマチュア無線の通信は今でこそ多種にわたり高度な通信方法が使用されるようになりました。考えてみれば、このようなデータ通信の始まりも結局はモールス信号の発展したものなのです。ご存知のようにモールス信号は、古代から通信手段として使用していた「手旗信号」や「発煙によるのろし信号」などをより確実なものとして南北戦争以前にモールス氏が発案したもので、トンという短点とツーという長点の組合せで構成されます。

言い換えれば、データ通信における2進数データのはじまりとも言えるわけです。この信号の特徴は、有か無かという単純なものを送信する簡単なものなので使用する機材も極めて単純な構成で済むわけです。しかも費用は安い。もし欠点を挙げるならば、操作する人にそれだけの能力が必要なことです。そのままでは音声も送ることが出来ないし、当然ですが画像も送ることは難しい。現在のように世の中全てが便利を感じたものには理解せよと言っても無理があるのは承知です。

HW8-2.jpgしかしこのことも、アマチュア無線のように趣味として通信を楽しみ製作実験を楽しむ人たちにとっては、ある意味自分の技術を挑戦する絶好の対象となるものです。モールス信号は単純な信号なので通信の最終手段として考えられるし、電話やコンピュータなどが使用できなくなる非常の事態には無くてはならない通信方法であり、世の中技術が進んでいるとはいえ、全て設備が関係し金額が張るものばかりで、現代人はこのことを少し忘れかけていないだろうか? いつまでも、高度な成長があるとも限らないし最悪の事態を考えた場合には、モールス信号ほど頼りになるものはないであろう。

ここに掲載したリグは、1980年ごろに製作した米国ヒースキット社の「HW-8」というモールス信号専用トランシーバーです。他の無線機に比較すると回路が単純なために小さな筐体に収められており、機能も簡単です。もちろんモールス信号の使用できるバンド(CWモード)しか電波は飛びませんし受信も出来ません。こういった機種はある意味入門機としてアマチュア無線愛好家には未だ根強い人気があり、モールス信号でしか通信をやらないファンも世界中には多く居られます。

モールス信号を使用する通信は電力(パワー)も最小で済み、電話と違って周囲に聞き取られる心配も少なくちょっとした気分を味わうことが出来るわけです。

モールス信号25文字を覚えて簡単な国家試験に合格することで、誰でも楽しむことが出来る究極の通信手段です。皆さんもぜひどうぞ。

 

 

2010年11月28日

nibbleとはデータ長さの単位です

nibble.jpg

所有:TOMIOKA Takumi
1990年5月号(アップルファン雑誌)

米国のコンピュータ雑誌にはbyteという有名なものがあります。バイトはコンピュータの世界では常に使用されている容量を表す単位なので誰もが耳にしていることでしょう。ところが、この雑誌の書名であるnibbleはあまり知られていません。実はこれも同様に単位なのです。

コンピュータで2進数を表示する意味を表すのにビットという単位を使用します。ビットとはbinary digit の省略したものでbitという単位が生まれたのです。すなわち、一桁の2進数(0か1)を使って数値を表現するという考え方です。当然、一桁では足りなくなるので次々と桁が上がります。どんどん上がって4桁まで行ったとします。この4桁で一つの命令機能を持たせたコンピュータが世界で最初に開発された4ビットマイクロコンピュータでした。当時使われていた大きなコンピュータとは異なり、小さな集積回路で構成された物で米国のインテル社が最初に開発と発売をしました。4ビットコンピュータでは命令も全て4ビットデータ(2進数4桁)を使用していたのです。このデータの長さをnibbleと呼んで、「これは24ニブルのプログラムです。」と話をしたものです。ところが、この4ビットマイクロコンピュータの時代は直ぐに終わり、まもなく各社から8ビットマイクロコンピュータが開発されたわけです。8ビットコンピュータでは1つの命令データはバイトと呼ばれ、例えば8ビット命令を扱うマイクロコンピュータのことを当時はバイトマシンとも雑誌に紹介され一般的な呼び方だったわけです。

この頃には、インテル社の8008だけでなく米国モトローラ社の6800や米国モステクノロジー6502などが開発され、どれもが一番を競い合ったわけです。インテル社8008は後にペンティアムという名称となり、6800はIBMと共同開発で後にパワーPCと変化してきたわけです。

もちろんこの時代の変化にも大いにアマチュア無線家が関係します。
インテル社で4004という世界最初のマイクロコンピュータを開発したのは日本の嶋正利さんです。この方は2エリア静岡県の出身であり日本のアマチュア無線家です。このブログでも紹介しているので参考にして下さい。

http://mhv.jp/2006/05/post-32.html

また、6502を使用した世界で最初のパーソナルコンピュータ(この名称は米国アップル社が販売用に使用したのが最初)は米国アップル社のウォズ二アックさんが開発して一気に一般人にもコンピュータ利用が拡大されたわけです。彼は生粋のアマチュア無線家であり、彼が出版した「アップルを創った怪物」には少年時代にアマチュア無線に熱中していたことがかなりのページを割いて紹介してあります。

その後に彼は、皆さんご存知の最新型携帯電話である「アイフォン」を開発しています。
また機会があれば、この書籍の中身を抜粋してここで紹介してみたいと思います。

2010年11月21日

入門機としての八重洲無線FR50B

アマチュア無線メーカーとして八重洲無線が一気に知れ渡ったのはFT101というトランシーバでした。世界中のアマチュア無線家に愛され当時のベストセラーではなかったでしょうか。トランシーバーであり送信も受信も一台で間に合うことから移動用無線機として人気が出ました。特に、当時は多かったCB無線の愛好家も27MHz帯が送信出来るということで好んで使用した機種です。この受信機は、そのFT101が発売された以前のもので当時では当たり前だったセパレートタイプです。特にSWLとしての入門機には絶好のマシンでした。

メカニカルダイヤル式のチューニングは正確な周波数で受信でき、当時のアマチュア無線機としては画期的なもので、この技術は後に発売されたFT101の元となったわけです。また、スピーカーも内臓されていたので、このままアンテナをつないでスイッチを入れれば良かったわけです。このころはAMが主力でありトリオからは9R59Dが出ていました。

FR50B.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

今では殆ど見られなくなったセパレート式ですが、今も受信機としては懐かしい1台となりました。
(撮影:TOMIOKA Takumi)

 

2010年11月 3日

ローライ35に付けられたテッサーレンズ

ローライ02.jpgRollei 35 1967年に発売された小型カメラである。1966年にドイツフォトキナで発表されて人気が出ました。ボディ前面にはシャッタースピードと絞りの2つのダイヤルがあり、連動露出計はCdS式を採用しておりますが当時の小型カメラには同様の物が多かったのです。初期型はドイツ製、その後シンガポール製となったが、この写真のものはシンガポール製です。シンガポールでは当時からローライの多くの機種が製造されていました。レンズにはテッサー40mm3.5が装着されたが一部にクセナー40mmF3.5付きが存在っします。テッサーは、もの凄く解像度が高いことで知られているが、このカメラ購入に行った名古屋市栄にあるヒダカヤ本店で、このカメラで撮影したモノクロ写真を見せられてびっくりしたものである。近くの中日ビルを遠くから撮影した写真だったが実に鮮明に写っていたのを覚えている。

ローライ.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影:TOMIOKA Takumi
        携帯電話iPhone使用 

レンズシャッターなので開閉時の音も本当に小さく手ブレも皆無である。当時の価格は¥69000と高価であったために、他の人気があった小型コンパクトカメラに比較してあまり売れなかったのです。

 

もともとローライは西ドイツのフランケ アンド ハイデッケ社が作る2眼レフとして有名であったが、このカメラになって35mmカメラでも知られるようになった。

2010年11月 1日

DRAKE SPR-4の受信感度

ドレーク R4Cと言えばアマチュア無線では有名な昔から人気の受信機です。それとは違ってこれはBCL専用にドレーク社が発売したものですが、当時は海外受信(BCL)が全盛期でとても人気があり高価なものでした。

SPR4-1.jpg写真のようにライトを灯した姿も何となく絵になり、秋の夜長に部屋を暗くして海外放送を聞けば最高です。

昔、同じようなことをオーディオアンプでやったことがあります。当時使用していた2A3プッシュプルの真空管が発するブルーの光に浸りながら、ジャズなどを聞いているのが好きで、このSPR-4も少しは似たものがあります。

SPR-4は、0.5KHzから30MHzのバンドを任意のバンド500KHz幅を受信できるゼネラルカバレージの受信機です。

ただし水晶は23バンドしか搭載できませんが、私のこの受信機は29バンド中23バンドがフル実装でほとんどの局を受信可能です。

SPR4-2.jpg左の写真は、底蓋を取り外して中身を撮影しましたが、軍用のコリンズ機種とは違う設計でこちらも興味が沸きます。
昔からコリンズよりもドレークの方を好むアマチュア無線家も多いと聞きますが分るような気がします。

受信して驚くのは、長時間聞いていても疲れないことです。最近の受信機では感度ばかり良くて落ち着きの無いピーピーとした音に聞こえるのですが。
カタログ値でも直ぐに分ることですが、感度とSN比が抜群で、目的の信号も浮んで聞こえるのが実感できます。

既に海外放送はインターネットでも提供されていますが、確実に聞こえるインターネット受信よりも短波受信機で苦労をしながら目的の局や珍しい局を探す醍醐味はまさに「キングオブホビー」と言われる所以では無いでしょうか。キーボードを叩きながら検索で局を探すのとは違い、ダイヤルを少しづつ回転させて、珍しい局が聞こえてくる時の感覚にはまればBCLから離れなくなるはずです。

秋の夜は、思いがけない遠くの放送局やアマチュア無線局が聞こえてきます。電離層の状態も不安定ですが、やがて少しづつ上向きになってくるようなので皆さんもHF帯の受信を再開されてはいかがでしょうか?