2018年10月 9日

終段はRCAでドライバーはテレフンケン

20181009 002.JPG最近になり2A3の音色が懐かしくなり修理にかかりました。これまで問題無く動作をさせてきた真空管アンプですが、表面のメッキ部分にくすみが見られるようになりレストアします。
アンプ類には比較的大きなコンデンサー類が使用されていて長期間保管が続くと内部の薬品が化学変化を起こし静電容量が抜けてしまいます。分かり易く言えば電気を蓄える力が無くなります。そのため回路における電圧の不安定から色々な症状が見られ正しい音にならないわけです。
20181009 001.JPG
このアンプには米国RCA社製の3極菅である2A3(にーえいさん)が2本使われて約10Wの出力がでます。何だ少ないと思われるかもしれませんが、耳で聴いた音量は真空管アンプではトランジスタやICアンプに比較しても遜色なく普通の部屋なら充分過ぎます。またドライバーは当時西ドイツのテレフンケン社で製造されたECC82です。確か日本や米国の規格では12AU7です。

20181009 003.JPG

また写真の様に、ズッシリしたトランスが整理良く並んでおりすっきり感があります。
このトランスは日本のマリックというもので45年前には非常に高価だったためにあまり出回っていません。このアンプを販売するのに当時のONLIFEリサーチ社(その後、ダイナベクターと改名)が注文で作らせたものです。

ここで潮晴男の「音の匠」が作成されているホームページにマリックトランス開発者のことが紹介されています。
20181009 004.JPG
------------------------
神田さんは東京工業大学の電気工学部を卒業した理系の人だが、弱電とのかかわりは薄く、当初は無線関係の仕事に従事していたという。その後、松尾電業社に入社しトランスの設計に携わった。長年オーディオに勤しんできた人ならこの会社がどんな会社なのかお分かりのことと思うが、知らない読者のために記しておくと、松尾電業社はマリック・ブランドでハイグレードな電源トランスや出力トランスを作っていた。オンライフ・リサーチというオーディオメーカーが出力管に名球「300B」を使ったアンプを製作していたが、その真空管の隣にマリックのトランスが誇らしげに鎮座していたことを思い出す。
-----------
話を戻しますが、このアンプはシャーシーが真ちゅう板で作られているので錆は浮いていないのですが、長年箱に入れずに放置状態だったので表面に汚れが付着しています。この汚れを取るのに「ピカール」という研磨剤を使うことにします。
昔から使用している金属専用の研磨剤ですがペースト状で使いやすく時間を掛けてじっくり磨くには便利なものです。
20181009 005.JPG
元通りにするには多分半年以上はかかると思いますが機会があればここで再び紹介します。