Sonyスカイセンサーが輝いていた頃
Sonyの発売したスカイセンサーは当時1970年代にBCL熱をもり立てたゼネラルカバレッジの通信型受信機です。この頃、ナショナル(松下)からはクーガ2200などが人気があり、他社からも色々な機種が発売されていました。当時は電離層の状態も短波帯にとっては都合が良い条件が揃い、世界中の放送が飛び込んで来たものです。
写真:TOMIOKA Takumi
ここに紹介するソニーICF5800ですが1974年製の物で今も健在です。最近はもっぱら中波の放送を聞いたり、FMラジオとして使用していますが、とにかく音質が良くて最高です。この発売後にICF5900が出ましたが、ダブルコンバージョンが売りとは言え、音質はこのICF5800の方が遥かに良く、長時間聴いていてもほとんど疲れません。ただ、両機種ともバンド切り替えスイッチの接点不良に注意してこまめに受信していないと、接点不良をして分解する必要が生じかねないので要注意です。
デザインですが、こちらは5900に比較して少し背丈が低く見るからに小型に感じます。色が黒いせいかもしれませんね。アンテナ長さは同じくらいで、背丈の何倍もあるロッドアンテナを伸ばした姿は通信機というイメージにピッタリです。
BCLとはブロードキャスティング コーポレーション リスナーの略で、放送帯の受信を中心に楽しむ趣味であり、今でも世界中で大勢居ます。インターネット時代とは言え、それは先進国で自由にコンピュータを個人で楽しむ国での話であり、世界中にはまだまだラジオにかじりついて情報をキャッチしなければならない人々がいるのです。彼らの情報はラジオが頼りです、テレビは電気代が高いのでまだまだ身近に利用できるものでも無い訳です。
夜中にICF5800のダイヤルをゆっくりと回してみると、中波帯でさえ沢山の海外局が飛び込んできます。中国や韓国・北朝鮮・ロシアの局が多いのですが、雑音の中に紛れながら珍しい局を見つけると感動です。直ぐに携帯電話のボイスレコーダに録音してゆっくりと後で聞いてみながら記録する感覚もスローライフの一つの楽しみ方にピッタリです。
皆さんもインターネットから少し外れて、たまにはBCL受信機に親しんでみてはどうでしょう。