2011年9月26日

ペンタックスがリコーに買収される

pentax01.jpg旭光学工業は1919年に誕生したカメラ界の老舗です。2002年にペンタックスという社名に変わるまで、ずーっとアサヒペンタックスという名前で親しまれてきました。その会社も業績不振に陥りホヤに買収され、今度は今年7月にカメラ事業部をリコーに買収されました。リコーも大きな事務機メーカーですが、昔はリコーが出したカメラなどマニアの間では誰も振り向かなかったものでした。そのリコーも時代がデジカメに変化し最近では多くのヒット商品が生まれ、ペンタックスに追いついてしまったというわけです。


この写真は、PENTAX SV という機種の上部に専用露出計を装着したものです。この頃のカメラは、光を測定する機構は無く別に露出計を使用するか、または人間の経験により絞り値とシャッタースピードをセットする必要があったのです。要するに露出計が指し示す測定値を絞りリングとシャッターリングに手回しでセットするわけです。当然、速写では間に合わず微妙な露出の変化にはとても追従することが出来なかったわけです。

ペンタックスという社名は初めから使用されたわけでは無く、この会社が世界で始めて一眼レフカメラを発売した時には、旭光学工業の名前から「アサヒフレックス」ということで売り出しました。それまでのカメラは2つのレンズを持った2眼レフだったわけです。ここで、使用された一枚の鏡(レフレックス)がヒントとなり、それまでに無かった画期的なカメラが生まれたわけです。

pentax03.jpg最初の一眼レフでは、撮影者は上部に位置するファインダーに真上から眼を近づけて逆に写った像を見ながらシャッターを切りました。当時は、像が逆に写るのは当たり前だったので不便と知りながら仕方の無いことだと諦めていたわけです。そんな中、旭光学は像の正立化に成功しました。そこで使用されたのが5角形をしたプリズムです。今では当たり前ですが、ファインダーに眼を近づけるとちゃんとした正立像が見えたのでした。そんな訳で使用していたプリズムからペンタックスという名称が生まれたわけです。古典ギリシャ語で5はペンタと言います。その後には社名まで変更となりました。

pentax02.jpg長かったペンタックスの名称もしばらくは使用されると思いますが、やがては聞かれなくなるでしょう。
産業界ではちょっとしたヒット商品により、会社の業績に差が出るので怖いことです。旭光学の築いてきたカメラ技術は最先端のものでした。技術よりも宣伝力で左右される困った時代に突入です。

これまでに消えたカメラメーカーは沢山あります。ミノルタカメラ事業部がソニーに買収されたのも大きなニューズとなりました。ブロニカ工業も消えてしまいました。今度消えるメーカーが何処になるかが心配ですね。

撮影および所有:TOMIOKA Takumi