DRAKEの人気受信機を今一度
現在、アマチュア無線の世界では日本メーカーが独占しているが、かつては米国製品にあこがれた人も多かった。なかでもドレークやコリンズやヒースキットは根強いファンがいた。特にドレークではあのμ同調回路がユニークで、同調点がハッキリと感じられる。カバーを外しツマミを回しながら復調された音に耳を傾けると、明らかにザーという音からクリヤーな音声がつかめる。これらの方式はコリンズや日本のヤエスFT101でも採用されているが、ドレークの場合なぜか鋭利に表れるように思う。
ドレークの無線機は当時全てデザインと色合いが統一されていて、現在販売されている日本の派手なデザインとはほど遠かった。地味なグレーで構成されたモノトーンである。
私の所有するTR4-Cw、R4-C、SPR-4、TX4-Cもかなり期間が経っているが未だに愛着ある機種である。最近の日本製無線機は確かに性能が向上していてプロが使用する測定器のようである。DX局を求めるトップDXerでなければあまり性能を気にしない。こちらは退職者であり時間はたっぷりある。ドレークやコリンズや昔の日本製無線機ではアマチュア無線らしい一面が残っていて手放せない。
話は違うが、最近になりアナログ機器が一部の人たちでは人気が復活しているそうである。例えばレコードやカセットテープなどを求めるマニアが増えているのも分るような気がする。
昔に味わった電離層が不安定な中、はるか遠くの外国からやって来た雑音交じりの電波。西ドイツのドイチェベレ放送局や南米の小さい国から電波を出しているアマチュア局の信号、どれも雑音すれすれから見つけ出す楽しさとテクニック。現在の聞こえて当たり前の受信機に味わえない体験も復活できないものだろうか。アマチュア無線の免許は無線技士であり通信士ではない。もっと技術的な面を楽しむことこそ長続きのコツだと思う。