2021年5月19日

トーレンスが奏でるレコードの曲

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オーディオファンなら知っているスイスの精密機械メーカーのトーレンス社ですが、近年はレコードの需要も少なくなり今はどうしているのでしょう。私が若い頃に授業で習った知識として、スイスは精密機械王国でした。ローレックスやオメガの腕時計やナグラのテープレコーダー、カランダッシュのボールペンなど世界的に知られたブランドも多くあります。しかし、製品が電子部品を含むようになり電子制御に変わった今の時代には、電子技術の得意な日本の安価な腕時計にシェアを奪われています。時代の変化がスイスの産業を大きく変えてしまったのです。

しかし、トーレンスのレコードプレーヤーは独特の構造で機構も単純です。スピンドル軸が生命と言われるレコードプレーヤーでは超精密な加工が欠かせないのです。アイドラーという回転体とスピンドル軸がゴムベルトを介して回転を伝えます。そのスピンドル軸を支える軸受けが全てを左右すると言われており、トーレンスの技術が買われているのです。

もし、回転中心が動いてしまう回転運動でレコード盤を回転させるとどんな問題が起こるでしょうか。まず、レコードの回転がガタガタと振動しながらレコード針に当たります。その結果、レコード針は振動の大きさ分、乱れてしまいます。結局、忠実な再現が出来なくなります。レコードプレーヤーにおいて、回転中心が動かないということは、再現性を向上させ聞こえ方にも左右し良い結果を生む為に必要不可欠なものなのです。

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最近は、再びレコード盤に人気が出てきています。デジタル録音のCDとは異なり、レコード盤の溝から針が拾って音を増幅する中に何か途切れていない信号の響きが感じられます。

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メーカーは新しい技術を開発し新しい商品を売ろうとしますが、本当に良い物はいつまでも使い続けたいものです。修理してでも使いたいという愛着が沸いてくれば本物です。